私と彼の言葉

"手を伸ばす事に意味はある"

 

私がいつからか口にしている言葉

ある人が同じ言葉をつぶやいて驚いた言葉

 

手を伸ばす先が 果てしなくとも

手を伸ばす先を 失ってしまう事があっても

手を伸ばす先のものに 触れる事が叶わなくとも

 

私たちはきっと手を伸ばし続ける

それしか出来ないかのように

滑稽にも映るその行為をただ

 

手を伸ばす事に意味はある

残響

いつも祈る対象は絶対的な虚像などではなく

不確かで曖昧な でも唯一の愛の先

 

だから祈るのは 喪失した暗闇へ

失った物から忘れる事をしないのは

それにも意味があるから?

もう意味を置くのは私だけ そう私だけ

 

見た事の無い終わりに寄りかかるのは

それに焦がれているから

今はただ重力だけが私を立たせているのよ

重くのしかかる私を ただ振り払って

 

 

いつの間にか祈る事も思い出す事もやめて

綺麗な音と色に しがみついていた

 

身を投じている 先も分からず

奪われる事すら喜びであると語るなら

その口と私の耳を捨てるわ

見たくない物だけ残ったガラス玉

 

全ての繋がりを断ち切ったなら自由?

手放せはしない幻

今はただ重力だけが私を立たせているのよ

重くのしかかる私を ただ振り払って

 

死への憧憬

ひきつった表情の空を見上げて

紫色の煙を吐いたら

また眠りにつこうとして

自分の心音(おと)すら煩わしくて

また朝を迎えてる

 

上手くやれているかな

最初と最後にいつも思う事

もう誰でもない私に言い聞かせて

季節がめぐるのよ

 

繰り返しの悪夢をこれからも続けるの?

もう分かっているのに

 

未来への希望より 死への憧憬

芽生えてから絡み付いて

もう放さない