タイムラグ

狂おしいほどに人を愛せた事はなかった きっとあなたに対しても それでも時々胸が熱くなるように 思い出される温かさが 今の私を冷やしてしまう 一緒に歩けていたのかな? 終わる事が本当だったのかな? 正解なんて絶対的でからっぽなものが 私たちが刻んだ…

さよなら

もうダメだねと ひどい言葉を吐かれた 僕が言わなきゃいけなかったかな そうだねと いつもの相づち でも少し出るのを躊躇っていたんだ もう少しと引き延ばしすぎた糸は こんなにも痛々しくってさ それでもって口にし続けた嘘も 耳を塞がせるだけの雑音で 想…

雨の日にまた会おう

口に出せない言葉を 無造作に綴った 届ける事が出来ないものを 黒い列にして 心そのままに吐き出せたなら もうそれだけで 思い出されるすべてをにじませて あの場所でまた会おう いつかの雨の日のように 今度はヘタクソな歌を 用意してあるから 君は笑わずに…

canvas

青 また青 あの人のシャツと同じ色 塗り重ねていく行為が好き ナイフのように鋭い言葉遣いも 後から謝るその不器用さも 私を優しく彩るから もっといっしょにいよう こんな世界でも 素敵と思えたから あなたの色でこんなにも優しくなれたから だからこれから…

私と彼の言葉

"手を伸ばす事に意味はある" 私がいつからか口にしている言葉 ある人が同じ言葉をつぶやいて驚いた言葉 手を伸ばす先が 果てしなくとも 手を伸ばす先を 失ってしまう事があっても 手を伸ばす先のものに 触れる事が叶わなくとも 私たちはきっと手を伸ばし続け…

妄想痛覚

あの時得るべきだった痛みから 僕は逃げ出した 怠惰と恐怖とただの甘え だから今その痛みを利子つきで少しずつ味わってる いつまでその痛みを抱える事になるのか それがどれだけ痛かったのか分からない もう分からない

残響

いつも祈る対象は絶対的な虚像などではなく 不確かで曖昧な でも唯一の愛の先 だから祈るのは 喪失した暗闇へ 失った物から忘れる事をしないのは それにも意味があるから? もう意味を置くのは私だけ そう私だけ 見た事の無い終わりに寄りかかるのは それに…

死への憧憬

ひきつった表情の空を見上げて 紫色の煙を吐いたら また眠りにつこうとして 自分の心音(おと)すら煩わしくて また朝を迎えてる 上手くやれているかな 最初と最後にいつも思う事 もう誰でもない私に言い聞かせて 季節がめぐるのよ 繰り返しの悪夢をこれから…

その時がくるまで

大切な人が知らないところで もういなくなっていた事を知って ただ悲しさと 理解できない喪失感で 色んな物が暗く見えた その時に涙を流してしまえば良かったんだと 少し後悔さえしている 最後に一目顔を見る事さえできなかった その時から涙を流す事はして…

おわるせかい

このいのちを終わらせるには 何を抱けばいい この願いを忘れるには 何を愛せばいい 夜の風に吹かれ 痛いライトに照らされて交差点を歩けば 違うステージが待っているの? この歪みを治すには 何を捨てればいい このおわりを迎えるには 何になればいい 月の近…

寝てみる夢

自分が死ぬ夢を見た とても簡単に あっさり終わってた 死んだ後は幽霊になって 葬儀の光景を俯瞰している 誰も泣いてはいなかった それに少し安心したかもしれない もう私でも何でもないものを 影を落としてじっと見ている 葬儀には猫まで並んでいた そこは…

猫の隠れ家

ある猫好きが何かしらをこっそりと 更新していくそんな隠れ家。 誰にも見られないかもしれないし 見たい人もいないでしょうね それはそれで面白いのです♪ 乱雑に書き綴った言葉 意のない落書き 何となく向けたレンズが捉えたもの そんな過ぎ去ってしまうだけ…